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『赦す人』感想

赦す人赦す人
(2012/11)
大崎 善生

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形式的な付け方をするなら、タイトルは『団鬼六伝』となるでしょう。

団鬼六。

その伝記、ノンフィクションです。
あるいは、「歴史」と呼んでしまってもいいと思います。

SM小説の、いやSM文化のパイオニアであり、大家であり、象徴。
将棋界の大旦那であり、純文学作家でもあり。

まさに巨人。その生涯を描いた本作は、「歴史」と呼ぶに足るでしょう。
しかし、それ以上に本書は、「青春小説」だと私には感じられました。

青春。

放蕩、無頼、無軌道の限りを尽くし、駆け抜けた波乱の生涯。
ひたすらに遊び、遊び、遊び、遊び狂った人生の、凄まじい明るさ。

SMの巨人、団鬼六は、なんという大きな人だったのでしょうか。
その大きさに打ちのめされつつ、また励まされます。

実際のタイトル『赦す人』は、そんな団鬼六を見事に言い表した、
まさに「これしかない!」という秀逸な題名でした。

それにしても。
全くの無計画、どんぶり勘定。めちゃくちゃな金遣い。
飲んで飲んで、奢りまくりの飲ませまくり、遊びまくり。

やっていることだけを見れば、あまりに典型的な破滅するダメ人間の所業です。
読んでいると、ここまで無茶苦茶に生きても人間なんとかなるのかと、
自分の常識の方が揺らぎそうになります。

しかし、よくよく読んで行けば、それも当然だなと納得せざるをえません。
団鬼六はとにかく、どこまでも明るいのです。ひたすらに陽性の人間なのです。

その放蕩は破滅への堕落ではなく、むしろ歓喜の疾走です。
自分が楽しむために、周囲の人間も楽しませようとします。
面倒をみます。とことん付き合います。受け入れます。赦します。

そりゃあ、こんな人は幸せになるよなぁ、と納得させられます。

団鬼六。
縄とペンで稼いだ金を、稼いだそばから酒と女、その他将棋等もろもろにばらまきながら、
たくさんの人々と一緒に、自ら作った時代を駆け抜けた一代の傑物。

その青春。

本当に、よくここまで調べ、書き切ったものだと感嘆しました。
生きていく力を、精一杯生きようという使命感を、そして、生きる希望をもらえる一冊でした。

テーマ : 小説
ジャンル : アダルト

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